クモとサルの家族 (2022):映画短評
クモとサルの家族 (2022)今の日本社会を投影した野心的な時代劇アクション
老人や弱い者が姥捨て山へ捨てられ、旅人を狙った追いはぎが横行する江戸時代。血の繋がらない者同士が肩を寄せ合って仲良く暮らす忍者一家が、忍びの里に迷い込んだ謎の老人を追手から救うために体を張って戦う。弱肉強食の過酷な江戸時代に21世紀の現代社会を投影したネオ時代劇。低予算映画ゆえのツッコミどころは少なくないものの、既成概念に囚われない夫婦や家族の在り方、弱い者同士がお互いを支える助け合いの精神など、厳しい時代を生きる我々が改めて大切にしたいことを、ナンセンスなユーモアを交えながら描いたストーリーは好感が持てる。テレビ的な邦画が多い中にあって、シネスコサイズの映画らしいルックもポイント高し!
この短評にはネタバレを含んでいます