クレイヴン・ザ・ハンター (2024):映画短評
クレイヴン・ザ・ハンター (2024)アメコミ映画化手法の新たな領域に踏み込む
『トリプル・フロンティア』『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』のJ・C・チャンダー監督が、彼の作風のまま、独自の解釈でアメコミ原作に挑んだ大胆さが、まずは魅力。そのため、あえてソニー製作のマーベル映画に既出のキャラクターたちを登場させ、彼らはこの世界ではこうなる、と見せつける。
本作では、クレイヴンの本質は捕食者で、獰猛な野生動物。なので獲物を仕留めるときは、気づかれないよう忍び寄り、瞬殺する。暴力に限度はない。身体の動きも野生動物と同じ。その独特の動きが、ヴィジュアル面の面白さを生み出す。その一方で、父と息子、兄と弟の物語は、ギリシャ悲劇の趣。アメコミの映画化手法の新たな領域に踏み込む。
この短評にはネタバレを含んでいます