パトリシア・ハイスミスに恋して (2022):映画短評
パトリシア・ハイスミスに恋して (2022)パトリシア・ハイスミスのさまざまな顔を見る
『太陽がいっぱい』『アメリカの友人』『リプリー』『キャロル』などの原作小説の作家パトリシア・ハイスミスは1995年に74歳で没したが、実生活ではどんな人物だったのか。それを、幼少期から若い頃、晩年までの彼女の写真、晩年の彼女のインタビュー映像、彼女の親戚や元恋人らの現在の証言、そして「ゲーム・オブ・スローンズ」の騎士ブライエニー役のグウェンドリン・クリスティーが読む、彼女の日記からの引用等で構成していく。小説家デビュー当時の美貌、晩年の一種の厳しさのある表情と掠れた声、どちらも魅力的で、とくに晩年の彼女自身が語る姿に目を奪われる。彼女が自分が死ぬ日について書いた文章もハイスミスらしい。
この短評にはネタバレを含んでいます