白日青春-生きてこそ- (2022):映画短評
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アンソニー・ウォンのいぶし銀の魅力、ふたたび
30年前、『タクシーハンター』で悪質なタクシー運転手を血祭りにあげていたアンソニー・ウォンが、問題の多いタクシー運転手を演じる。そんなマニア心をくすぐる設定ではあるが、作品のテイストでいえば、円熟味を増したウォンとフィリピン人家政婦の交流を描いた『淪落の人』系。いわゆる異文化コミュニケーションを扱った人間ドラマであり、今度の相手はパキスタン難民の少年。だが、少年の言動に感情移入しにくいほか、ラストなど、脚本の詰めの甘さが目立つのは否めない。私生活で香港を離れる選択を取ったウォンが、中国から香港に密入境した男を演じる意義は大きく、怪しげでノワールな雰囲気に、★おまけ。
この短評にはネタバレを含んでいます