ソウルメイト (2023):映画短評
ソウルメイト (2023)ライター2人の平均評価: 4
普遍的で濃密なシスターフッド映画
母子家庭で育児放棄されて育ったため自立心が旺盛で、自分の力で人生を切り拓こうと奮闘する自由奔放な努力家ミソと、愛情深い両親のもとで少々過保護気味に育ったため保守的で、夢に向けて一歩踏み出す勇気もなく周囲に流されがちな優等生ハウン。このまるで対照的な女性たちの、長年に渡る波乱万丈の友情が描かれる。実は香港映画のリメイク版。日本と極めてよく似た韓国社会における女性の生き辛さを背景に織り交ぜつつも、しかし焦点となるのは普遍的な女性同士の愛情と友情と連帯のドラマだと言えよう。実に濃密なシスターフッド映画。主演のキム・ダミとチョン・ソニがまた素晴らしい!
オリジナルに及ばずとも、ファン納得のキム・ダミ無双!
舞台を済州島に、物語の導入部となる小説を絵画にアレンジしたことで、ヒロインの視線が大きなポイントになるなど、韓国映画のリメイクにおける脚色の巧さはさすが。そんな分かりやすさに加え、オリジナル『ソウルメイト/七月と安生』のチョウ・ドンユイに負けじと、キム・ダミ無双の一本になっており、彼女目的のファンも納得のシスターフッド映画といえるだろう。とはいえ、ミン・ヨングン監督が職人気質なのか、タイトルでもある2人の関係性や終盤のエモい展開における演出に関して、オリジナルに比べ、どこかモノ足りなさが残るのは事実。本作を観た後には、さらに胸を突き刺してくるオリジナルを是非!