あのコはだぁれ? (2024):映画短評
あのコはだぁれ? (2024)ライター2人の平均評価: 3
夏休みの誰もいない学校で
変形版の座敷わらし、と言えるのかもしれない。夏休みの誰もいない学校で、補習にやってきた生徒たちが出会う、同じ制服を着た少女。昔、学校で起きたらしい出来事のあいまいな噂話。そうした日本ならではの風景は、似たものを体験しているから、物語がしっくりなじんでリアルに感じられる。
監督・脚本・原案は『呪怨』シリーズの清水崇。同監督の『ミンナのウタ』の中心人物の女子高生が登場するが、同作は知らなくても問題ない。日本らしい一戸建て家屋、半端に空いた襖の間から見える隣の部屋、日本的な家族関係、そして小さな男の子と、清水監督の得意なアイテムがてんこ盛り。そしてストーリーには捻りも加えられている。
清水監督らしさを堪能。
『ミンナのウタ』と世界観を共有する映画。前作はGENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバー7人が本人役で出演するというアイドル映画的な趣がありましたが、今回はキーパーソンの高谷さなを前面に押し出す、清水監督らしい不条理ホラーになっていました。ある種、自分の想いに異常なまでに前向きな高谷さなはJホラーの新たなホラーアイコンになれるかもしれないですね。いわくつきの家や学校などの怪しい空気感は見ていて流石だなと思います。お話としては続きモノの要素もあるので、キャストや描写、アイテムなどに共通する部分もあってその辺りはファンサービスとして楽しみました。