DOG DAYS 君といつまでも (2024):映画短評
DOG DAYS 君といつまでも (2024)社会問題にもしっかり向き合ったワンコ映画の佳作
出世と無縁の冴えない会社員に独り暮らしの裕福な老女、経営難に苦しむ動物病院の院長に売れないミュージシャンなど、それぞれ問題を抱えた孤独な人々が、ペットの犬たちを介して不思議な縁で結ばれ友情や愛情を温めていく。いわば、悩める現代人が動物に救われるというお話だが、ありきたりな「ワンちゃん可愛い」や「ホッコリ癒される」に終始しないのはさすが韓国映画。若い世代にも根強い男尊女卑や家父長制の悪しき伝統、広がる経済格差に若年層の貧困、少子高齢化に弱者切り捨てなど、日本にも共通する韓国の様々な社会問題に向き合いつつ、無垢な犬たちの存在が無償の愛や思いやりなどの大切さを気付かせる。予想外の良作。
この短評にはネタバレを含んでいます