対外秘 (2023):映画短評
対外秘 (2023)悪いヤツが勝つ世の中でいいのか
韓国映画が得意とする近現代史をテーマにしたノワール。実直な候補者が、地元の有力者と敵対し、ヤクザと手を組んでダークサイドに堕ちていく姿を描く。フィクションだと前置きされているが、韓国政治の腐敗ぶりが事細かに描かれており、金と暴力と組織力を駆使した不正の手口を見ると、日本で起こったリコール署名偽造事件など稚拙きわまりなく感じてしまう。善人が正義を貫こうとするとあっという間に殺されるし、悪党も立場を間違えると殺される。裏金も口封じも当たり前。じゃ、悪いヤツが勝つ世の中でいいのか。無関心でいいのか。観終わった後、胸にドロッとしたものが残るとともに、そんなことを感じさせる。
この短評にはネタバレを含んでいます