ロスト・イン・シャドー (2024):映画短評
ロスト・イン・シャドー (2024)女殺し屋の敵は男社会そのものだ
『Mr.ノーバディ』続編の監督に抜擢されたインドネシアのバイオレンス超特急、ティモ・ジャヤント監督によるNetflixオリジナルの本作は、とにかくハードな人体損壊アクション(2時間30分!)。少年を助けようとするティーンエイジの女殺し屋が、売春組織、警察、政治家の悪徳コングロマリットを血祭りにあげ、組織の殺し屋たちとも対決するストーリーに複雑さはないが、物語の背景には女性への暴力事件が年間30万件を超えるインドネシア社会がある。彼女が戦っている相手は、女性を殴り、搾取し、殺す男社会そのもの。だから彼女はとてつもなく怒っているのだ。主演のアウロラ・リベロは格闘技経験などが一切なというのが驚き。
この短評にはネタバレを含んでいます