オードリー・ヘプバーンの伝説的テレビ映画『マイヤーリング』がテレビ初放送！
没後20年以上がたった今でも世界中で絶大な人気を誇るオードリー・ヘプバーンが1957年に出演し、長い間、幻の作品となっていた映画『マイヤーリング』がWOWOWでテレビ初放送される。
『マイヤーリング』は、全米ネットワークテレビ局NBCで放映されたテレビ映画。そのころのテレビは生放送であり、2013年に復元されるまでこの作品は劇場公開もビデオ化もされていなかった。しかも、相手役はオードリーの当時の夫であるメル・ファーラーが務めており、それゆえ『マイヤーリング』が伝説的な作品といわれてきたのである。
そのストーリーは、19世紀オーストリア＝ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーの許されぬ恋を描いたもの。何度も映像化されているクロード・アネの小説「うたかたの恋」を基にした作品で、実在のルドルフ皇太子と男爵令嬢マリーの心中事件を題材にしている。それは、『マイ・フェア・レディ』や『麗しのサブリナ』のようなシンデレラストーリーではなく、ロマンチックではあるが、とことん悲劇的な恋の物語なのである。
オードリーが演じたいちずな愛をささげる令嬢マリーというキャラクターは、『ローマの休日』でのりんとしたアン王女をほうふつさせ、清楚（せいそ）で気高いイメージの彼女にはまさしく適役。皇太子を見つめるそのまなざしやキスシーンは、結婚3年目の夫を相手にしているだけあり真に迫っている。
また、オードリー作品といえば彼女が着こなす美しいファッションを楽しみにしている人も多いはず。本作では、ライブ放送にもかかわらず、クラシカルなワンピースや舞踏会でのエレガントなドレスなど、バラエティーに富んだ衣装が観られ、その期待にも十分に応えてくれている。
公私共に充実し、まさしく美しさの絶頂にあったともいえるであろうオードリーの魅力に酔いしれることのできる作品だ。（文・岩永めぐみ）
映画『マイヤーリング』は12月15日夜7:00よりWOWOWシネマにて放送