スタローン、白人だらけのオスカーボイコットも考えた
第88回アカデミー賞
映画『クリード チャンプを継ぐ男』で第88回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされているシルヴェスター・スタローンが、現地時間28日に開催される同授賞式をボイコットすることも考えたと明かした。EW.comなどが報じた。
俳優部門にノミネートされた20人が2年連続で全て白人だったことが波紋を呼び、ウィル・スミス夫妻やスパイク・リー監督などが授賞式のボイコットを発表するなど大揺れの今年のアカデミー賞。批評家に大絶賛で迎えられた『クリード チャンプを継ぐ男』だが、黒人のライアン・クーグラー監督や主演のマイケル・B・ジョーダンはノミネートされていない。
8日に行われたアカデミー賞候補者による昼食会に出席したスタローンは、「この論争が起きたとき、ライアン・クーグラーと話した。『ライアン、これにどう対処してほしい? なぜなら俺がここに居るのは、君のおかげだと本当に思っているから。マイケル・(B・)ジョーダンだって、俺の演技をよりよくしてくれた。彼の方こそ、もっと人々から称賛されるべきだったと思う』とね」と授賞式のボイコットも考えたとコメント。しかし、クーグラー監督からは「スライ(スタローンの愛称)、ただこの映画を代表して授賞式へ行ってきてください。僕たちはあなたがそれに値すると思っています。やがて状況も変わりますよ」と言われたという。
スタローンは「俺が『もし君が俺に授賞式に行ってほしいなら、行く。もし行ってほしくないなら、行かない』と言うと、彼は『いいえ、僕はあなたに行ってほしい』と言った。彼ってそういう奴なんだ」と繰り返すと、「今の俺があるのは、本当にこの二人の若者のおかげだ」とクーグラー監督とマイケルに感謝してもし切れないようだった。
なお、今回の騒動を重く見た映画芸術科学アカデミーは、2020年までに女性や黒人など少数派のアカデミー賞選考メンバーの数を現在の2倍にするなど、メンバーの構成を改革するとすでに発表している。(編集部・市川遥)