稲垣吾郎は土の匂いを感じる人!東京国際映画祭会見で阪本順治監督が語る
第31回東京国際映画祭
10月25日から開催される「第31回東京国際映画祭」のラインナップ発表記者会見が25日に都内で行われ、コンペティション部門16作品ならびに審査員が発表された。日本から阪本順治監督&稲垣吾郎主演の『半世界』、今泉力哉監督&岸井ゆきの主演の『愛がなんだ』が選出されていることは21日にすでに明らかにされていたが、山中で炭焼き職人として生計を立てる中年男性を演じた主演の稲垣について阪本監督は「素は非常に素朴で、土の匂いを感じる人。面白いと思った」と起用理由を明かした。
【写真】「第31回東京国際映画祭」ラインナップ発表記者会見の様子
コンペ部門は、2018年1月以降に完成した長編映画を対象に109の国と地域から1,829本の応募のなか「例年以上に作家の個性を重視した作品」とプログラミングディレクター矢田部吉彦が語るように、各国の監督たちの思いが詰まった16本が選ばれた。
阪本監督は、稲垣をはじめ、長谷川博己、渋川清彦、池脇千鶴というメインキャスト4人について「ほぼアテ書き」と出演を熱望していたことを語ると、それそれの個性は違うが「面白いセッションができる」と自信を持っていたという。特に稲垣はアイドルとしての華やかな一面が印象的だが「普段の彼はテレビの姿とは違い、とても素朴。彼が淡々と炭を焼いている土着の人間が似合うことはわかっていた」と話した。衣装合わせの際に稲垣がニット帽をかぶり、安全靴を履いた時点で「これはいける」と確信したという。
過去3度日本映画スプラッシュ部門で本映画祭のレッドカーペットを歩いたという岸井は、今回はコンペ部門、しかも主演での参加となる。岸井は「嬉しいです」と笑顔を見せ「この作品は世界共通の普遍的なものを描いているので、どんな反応があるのか楽しみです」と目を輝かせていた。
この日は、コンペ部門の審査員も発表。国際審査委員長はフィリピンの映画監督ブリランテ・メンドーサが、審査委員は『スター・トレック』シリーズなどのプロデューサーのブライアン・バーク、イランの代表的女優タラネ・アリドゥスティ、香港の映画監督スタンリー・クワン、日本からは女優・南果歩が務める。
この日の会見には、本映画祭アンバサダーを務める女優の松岡茉優をはじめ、『愛がなんだ』の今泉監督、「アニメーション監督 湯浅政明の世界」が上映される湯浅政明監督も出席した。(磯部正和)
《コンペティション部門出品作品》
『アマンダ(原題)』(フランス)
『半世界』(日本)
『氷の季節』(デンマーク)
『ブラ物語』(ドイツ、アゼルバイジャン)
『翳りゆく父』(ブラジル)
『大いなる闇の日々』(カナダ)
『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』(ハンガリー、カナダ)
『ヒストリー・レッスン』(メキシコ)
『愛がなんだ』(日本)
『詩人』(中国)
『ザ・リバー』(カザフスタン、ポーランド、ノルウェー)
『シレンズ・コール』(トルコ)
『テルアビブ・オン・ファイア』(ルクセンブルク、フランス、イスラエル、ベルギー)
『三人の夫』(香港)
『堕ちた希望』(イタリア)
『ホワイト・クロウ(原題)』(イギリス)