ポン・ジュノ監督『パラサイト』のパルムドールは満場一致で決定!イニャリトゥ監督が絶賛
第72回カンヌ国際映画祭
現地時間25日、第72回カンヌ国際映画祭授賞式後に審査員会見が行われ、今年の審査員長を務めたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、最高賞パルムドールは満場一致でポン・ジュノ監督作『パラサイト(英題) / Parasite』に決まったと明かした。
『パラサイト(英題)』は、全員無職で半地下の家で暮らすギテク一家(ソン・ガンホら)が、裕福なパク家に徐々に侵食していくさまを描いたブラックコメディー。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント:蘇えりし者』と2年連続でオスカー監督賞に輝いた鬼才イニャリトゥ監督も感服した様子で、「とてもユニークで全く先が予期できない映画だ」「この映画では異なるジャンルがミックスされ、不遜で切迫した事柄についても善悪を決めつけることなく、おかしく、ユーモラスに、そして思いやりを持って描いている。ローカルな映画なのにとてもグローバルで、映画とは何かということを理解し、この媒体を非常に効果的に使っている」と絶賛する。
『ネオン・デーモン』の女優エル・ファニング、『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督、『COLD WAR あの歌、2つの心』のパヴェウ・パヴリコフスキ監督をはじめとした審査員団も同意見だったといい、イニャリトゥ監督は「僕たちは皆、観た瞬間からこの映画に魅了された。そしてその思いは時間がたつにつれ、どんどんどんどん大きくなっていった。満場一致の決定だった」と満足げに明かした。
一方、受賞者会見に現れたポン監督は「ジャンルを混ぜるというのが僕のスタイル」「こんなことが起こるなんて。とてもうれしい」とパルムドールを手にすることになって驚いたと破顔。韓国映画として初となるパルムドール受賞に、「韓国映画界100周年という節目の年に、大きな贈り物になった」と喜んでいた。(編集部・市川遥)