『ナイトミュージアム』特集ミュージアムの人間(？)関係

2007年2月23日

「誰も入れてはいかん。出してもいかん」と気になるひとことを残して、博物館をあとにした老警備員のセシル（ディック・ヴァン・ダイク）。ところがラリー（ベン・スティラー）の自然史博物館での初仕事がはじまったその夜、しんと静まりかえるはずの夜の博物館に待っていたのは、人間や動物が入り乱れたハチャメチャの人間模様ならぬ“動人物模様”。果たして展示物同士の恋愛は、時代や人種を超えてハッピーエンドを迎えられるのか!?　そして博物館の奇跡によってもたらされる、ラリーと博物館員のレベッカ（カーラ・グギーノ）、息子ニッキー（ジェイク・チェリー）との関係の変化にも要注目!!

夜も深まってくると、「昼間の鬱憤（うっぷん）を晴らしてやる！」と言葉では表現しないものの、縦横無尽に暴れまくるティラノサウルスやジャングルの動物たち。ローマ軍やフン族も勝手気ままに博物館の中を大移動。しかもバツイチでボンクラのラリーは、やたらと賢いノドジロオマキザルに肝心の警備マニュアルを奪われる始末。自然史博物館の中で、この不思議を知っていたのは老警備員の3人組。ラリーへの引き継ぎで託された言葉「誰も入れてはいかん。出してもいかん」というのも、朝になって太陽が昇ったときに、その秘密が明らかになるのです。
しかし、この3人のじいさんたちこそが、ヨボヨボのフリしてとんだ喰わせもの。ピンチになったラリーを、老警備員3人が企てた陰謀が追い討ちをかけることに。どうやら棺（ひつぎ）に入れられ白い布にグルグル巻きにされているエジプトのファラオ（ラミ・マレック）が、この収拾のつかなくなっ“ナイトミュージアム”に平和をもたらすカギを握っているらしい……。

自由に動くことができない展示物だからこそ、ままならない恋や、理解し合えないライバル関係というものが存在する“ナイトミュージアム”。本来ならばどんな映画でも出会うことのない歴史上の人物たちが一堂に集まり、複雑な人間模様を繰り広げるのもこの映画の面白いところ。カウボーイ（オーウェン・ウィルソン）とローマ軍のオクタヴィウス（スティーヴ・クーガン）はライバル関係で、いつも争っているけれど、実は似たもの同士。
そして気になるのは、さっそうと馬にまたがりラリーに的確なアドバイスを送るテディことルーズベルト大統領と才色兼備のインディアン・サカジャウィア（ミズオ・ペック）の恋の行方。テディが双眼鏡でのぞく先には、ショーケースから出ることができずにオドオドとしているサカジャウィアの姿が映っている。ほかの展示物のようにミュージアムの中を自由に行き来できないだけではなく、外に声を届けることもできないサカジャウィア。一方、テディも男らしくショーケースのガラスを割ってしまえばいいのに、女性に対しては意外にナイーブで不器用。サカジャウィアと言葉を交わしたいという願いはかなうのか!?　そして二人の恋が無事に成就するのか!?　要チェックです。

レベッカは自然史博物館の博物館員。博物館を案内するレベッカの解説を、見学にきた子どもたちと一緒に聞き、さらに展示物について真剣に尋ねるラリー。ラリーの研究熱心さはレベッカへの好意なのか、夜の大騒動を鎮める作戦のためなのか!?
展示物のひとりであるインディアンの女性・サカジャウィアの研究をしているレベッカ。研究に行き詰まったレベッカになんとか研究を続けてもらおうと、ラリーは博物館の夜の秘密をにおわせるようなことをチラリと明かすのだが、「わたしをからかっているの？」とつれなくあしらわれて……。ラリーはレベッカの信用を取り戻して、イイ関係になれるのか!?　展示物同士の恋やアドベンチャーもいいけれど、人間の恋愛の行方も気になるところ。

離婚した妻が再婚することになり、最愛の息子・ニッキーが、新しい父親になついている……。アイデア商品の事業に失敗してツキに見放された男とはいえ、実の父親としては黙っていられないラリー。ニッキーの気を引くために、夜の博物館の秘密を見せることにしたのだけれど、その夜に限ってどの展示物もピクリとも動かない……。
夜になると展示物が動きだすことを知っていた、元警備員のセシル、ガス（ミッキー・ルーニー）、レジナルド（ビル・コップス）。老齢を理由に、警備員を辞めたとばかり思っていたこの3人、実は陰謀を企んでいた！　なぜか夜になると老人とは思えないパワーを出す3人組に対して、展示物と力を合わせて“ナイトミュージアム”のピンチを救おうとするラリー。ニッキーにいいトコロを見せて、ダメパパの汚名返上できるか!?

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