前編となる映画『レッドクリフ Part I 』がアジア圏内で驚異の大ヒットを記録し、後編となる『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- 』も大ヒット確実と言われている。ヒットの要因は、映画そのものが最高の仕上がりであることももちろんだが、ド派手な宣伝活動が功を奏したといっても過言ではない。本シリーズがどれだけド派手なプロモーション活動をしていたのかを改めて紹介し、そのすごさにド肝を抜いてほしい!
総製作費100億円に加え、ジョン・ウー 監督が私財を10億円もつぎ込んで映画を作り上げた。そんな超大作がヒットしなかったら大変なことになる。ということで、日本でのプロモーションだけでもかなり大規模かつ大胆なイベントが盛りだくさんだった。まず、前編は第21回東京国際映画祭のオープニング作品に選ばれ、麻生太郎首相とジョン・ウー監督やキャストたちが一緒にレッドカーペットを歩く など華々しくお披露目された。さらに、来日プロモーションでは金城武 やリン・チーリン などの主要キャストはもちろん、マスコミ嫌いでなかなか日本のファンの前に姿を現さないことで有名だったトニー・レオン の来日が実現した。イベントに参加しただけでなく、精力的にインタビューをこなす姿 には、本作のヒットにかける並々ならぬ気合いの入れようがうかがえた。
麻生首相と談笑中のジョン・ウー監督
後編のプロモーションはさらにド派手だった。マスコミ向けに開催された後編の完成披露試写会 では、何と劇場内のポップコーンやジュースのタダ券が配られた。前編のヒットを受けてのお礼の意味もあるのかもしれないが、未だかつてトム・クルーズくらいしかしたことがないほどの大サービス。そして公開間際には、本作でブレイクしたリン・チーリンのピカピカ生足が間近で拝めたサイン会 、日本の著名人を大勢呼んでの試写会 、X JAPANの生歌付きトークイベント も! そして極め付けが、大阪でのプレミアイベントだ。劇中にある10万本の矢を3日で集めるというシーンにちなんで、999本の白羽の矢が刺さった小船にジョン・ウー監督をはじめとするキャスト陣が乗り込み、そのまま道頓堀川を下っていくという、5,000人の大阪人もびっくりなイベント が開催された。一体どれほどの宣伝費をつぎ込んだのか気になるところだが、配給元の東宝東和とエイベックス・エンタテインメントは公表を控えているそうだ。
YOSHIKIまで登場しました!
ド派手なイベントもあったのだが、一方で企画モノやグッズ販売など、キャンペーン活動も多岐にわたっていた。日本全国でのタイアップ企画は約50社を記録し、三国志人気の火付け役であることから、三国志検定 を開催したり、劇中のシーンに絡めて飲酒根絶キャンペーン をするなどと、面白キャンペーンがめじろ押しだった。グッズ関係にも力を入れており、切手を作った かと思えば、孔ピー、周ピー、曹ピー、関ピー、張ピーなる三国志バージョンのキューピー も作られ、そのかわいらしさに思わず脱力 してしまうほどだ。
さらに劇場に足を運ぶための誘導作戦は続き、後編の公開直前にはTSUTAYAで前編を半額でレンタルできるキャンペーン が行われた。通常TSUTAYAでは、新作のレンタル割引は行わないが、本作に限っては特別に実施された。そして後編公開前日には、前編から後編までイッキに上映される“イッキミ”が開催予定で、当日はジョン・ウー監督も駆けつけるという。さらに、後編公開直後の4月12日には、前編公開から5か月しかたっていないにもかかわらず、早くもテレビ朝日系列「日曜洋画劇場」で放送される ことが決まっている。しかも通常枠を45分も拡大しての放送は、番組史上最大にして最高の待遇だ。ここまで大々的にキャンペーンを実施する作品は珍しく、この結果が映画の興行成績に結びつくのかが気になるところだ。
イベントやキャンペーンだけでなく、監督をはじめとするキャスト陣も大忙しだ。前編のプロモーションを含めると、7回もの来日イベントが開催されている。ちなみに皆勤賞の監督は、この映画の発案者であるだけに、一番精力的に取材に応じているようだ。
そもそも企画段階では、キャスティングされていたのは別のメンバーだった。周瑜役にチョウ・ユンファ、諸葛亮孔明役にトニー・レオンが予定されており、映画『男たちの挽歌』以来、再びジョン・ウー監督とチョウ・ユンファがタッグを組むことで話題 となっていた。しかし、チョウ・ユンファの降板により 。一時雲行きが怪しくなっていたが、完成してみればアジア圏内最大の大ヒットを記録した。それもこれもジョン・ウー監督の人柄があってこそなのではないだろうか。ジョン・ウー監督について金城は、「スタッフを大切にしていて、とても寛大な方 」と絶賛し、トニー・レオンも「とてもいい人なので、仕事はいつも楽しかった 」と絶大な信頼を寄せているようだ。事実、いつも笑顔で穏やかなたたずまいをしており、取材の際にはインタビュアーと固く握手をすることで知られているほどのいい人なのだ。
そんなジョン・ウー監督をはじめ、スタッフやキャスト、ししてこの作品にかかわったすべての人たちの思いを乗せ、『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』がどれだけの観客の心をつかむのか、公開が楽しみだ。
文・構成:シネマトゥデイ編集部
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