北野武のちょんまげ、とったりつけたり……の深~い理由
第60回カンヌ国際映画祭
第60回カンヌ国際映画祭記念作品「To Each His Own Cinema」の公式上映が現地時間20日に行われ、北野武監督が(k)の家紋が入った羽織袴にちょんまげ姿でカンヌ名物のレッドカーペットに登場した。
同作品は、世界から選ばれた35人の巨匠による短編集で、北野監督は、ドイツのヴィム・ヴェンダース監督、イランのアッバス・キアロスタミ監督、ブラジルのウォルター・サレス監督と共にレッド・カーペットを上がることに。最初はちょんまげのカツラを手にしていた北野監督だったは、居並ぶカメラマンの前に出ると早速、着用。観客から大きな笑いが巻き起こった。
しかし、階段上で、この日集まった30人と2組(欠席者は3人)と勢揃いしての写真撮影になると、さすがに他の監督たちに失礼だと思ったのか、カツラを外した。
実はこの試みは、8年越しの構想である。映画「菊次郎の夏」(99)が同映画祭コンペティション部門に選ばれた時にも、ちょんまげ着用を考えたが、同映画祭の厳粛な雰囲気に負けて断念。役者として出演した「御法度」が2000年にコンペに選ばれた時は、大島渚監督に対しての名誉上映だった意味もあり、悪ふざけを遠慮した。だが、今回は、60回のお祭り部分での参加であることから、ついに決行。万が一を考え、11個もちょんまげを持ってきたという気合いの入れようだ。
北野監督は「ちょんまげをかぶったら、(映画祭スタッフに)羽交い締めにされて強制退去させられるくらいかも?と思っていたけど、フツーに皆、喜んでくれたからビックリしちゃった」と思わぬ歓迎ぶりに拍子抜けだったようだ。
第60回カンヌ国際映画祭コンペ作品
cinematoday.jp