東出昌大、カンヌで絶叫!『寝ても覚めても』公式上映に熱い拍手
第71回カンヌ国際映画祭
現地時間14日、第71回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門出品作『寝ても覚めても』(濱口竜介監督)の公式上映が行われ、上映後の鳴りやまぬ拍手に、主演の東出昌大が「メルシー!」と感謝の言葉を絶叫した。
芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を映画化した『寝ても覚めても』は、突然行方をくらました恋人を忘れられずにいる女性・朝子が、彼とうり二つの男性と出会って揺れ動くさまを描いたラブストーリーだ。一人二役を務めたのが東出で、朝子役はソニー損保のCMなどで注目された新生・唐田えりかが務めた。
観客は朝子たちが織り成すラブストーリーに夢中の様子で、しばしば笑い声が起こるなど反応は上々。上映後にはスタンディングオベーションが贈られ、唐田は「感謝とか愛で溢れすぎてしまいました」と感動の涙を流し、東出は「笑い声だったり、ためいきだったり、楽しんでくれていたのがすごく伝わりました。本作に込められた映画愛がお客さんに伝わったのかなと万感の思いです」と感激の面持ちだった。
また、東出は「上映後に上を見たら、2階席の方から身を乗り出して拍手してくださっている方たちがいて、僕らがやってきたことはその人たちに心の部分で届いたんだと感じました。それで感謝の言葉を伝えなくてはと思い、『メルシー』と精いっぱい叫ばせてもらいました」と照れ笑い。東出の叫びに、会場は一層盛り上がった。
前作『ハッピーアワー』で世界に名をとどろかせた濱口監督は、今回が初の世界三大映画祭への出品。それでいていきなりカンヌのコンペティション部門に選出されるのはとても珍しく、快挙といえる。濱口監督は「カンヌと聞けば心がときめくような、映画青年にとって憧れの地です。初めて作品でこの映画祭に参加させていただいて、とても光栄だと思いました。映画の歴史の1ページに、端っこかもしれませんが(笑)、ちょっと書き加えてもらえたような気持ちでいます」と喜びをかみしめていた。コンペティション部門の受賞結果は、映画祭最終日の19日に発表される。
(編集部・市川遥)
映画『寝ても覚めても』は9月1日よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷シネクイントほかにて全国公開