映画版「ゴースト・オブ・ツシマ」は日本人キャストで『ジョン・ウィック』監督が語る日本へのこだわり
キアヌ・リーヴス主演の大ヒットシリーズ最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の公開を迎えたチャド・スタエルスキ監督が、映画化プロジェクトが進行中の「Ghost of Tsushima」(ゴースト・オブ・ツシマ)について「積極的に開発に取り組んでいる」と意欲を語った。
真田広之vsドニー・イェンの刀バトル!『ジョン・ウィック:コンセクエンス』本編映像
「ゴースト・オブ・ツシマ」は、文永(13世紀後半)のモンゴル帝国による日本侵攻をテーマにした、オープンワールド型の時代劇アクションアドベンチャー。対馬を舞台に、元軍との激戦を辛くも生き残った主人公・境井仁が、侍の道からはずれた、蒙古を討ち滅ぼす武士・冥人(くろうど)となって戦う姿を描く。
『マトリックス』でキアヌのスタントダブルを務めるなど、アクション畑出身のスタエルスキ監督は、幼い頃から格闘技をたしなみ、日本に幾度も訪れている人物。『ジョン・ウィック』シリーズを成功に導き、映画版「レインボーシックス」など、いくつもの新作企画が報じられているスタエルスキ監督だが、日本をテーマにした本作は特別な企画だという。
「今、私が手掛けている多くの企画のなかでも、非常に重要な存在が『ゴースト・オブ・ツシマ』です。コロナ禍の影響で休止状態となっているプロジェクトがいくつかありますが、私自身もこの作品が大好きですし、積極的に、本当に積極的に開発に取り組んでいます」と宣言するスタエルスキ監督。
あらためて、日本人をキャスティングしたいという意向も明かし「少なくとも、日本側のパートにおいては、ちゃんと日本人キャストを起用したいと考えています。トム・クルーズが出てくるようなことはありません(笑)」とジョークを交えて語っている。
『ジョン・ウィック』シリーズ第4弾となる『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、戦いの舞台のひとつとして、大阪における殺し屋たちの“聖域”コンチネンタルホテルが登場する。大阪を選んだのも、日本を知るスタエルスキ監督ならではのこだわりだった。
「まずシンプルに、みんなと違うことをしたいと思ったんです。観客にいつもと違う日本を見せたいと考えた時に、アメリカ人でも見たことがある人が多い東京ではなく、大阪や広島がいいと考えました。以前、大阪へロケハンに行った時にグリコサインのある道頓堀などを見て、視覚的にも面白いし、いつか映画に使いたいと考えていたのです」
さらに、大阪・コンチネンタルホテルの支配人シマヅ役として、日本から真田広之が参戦。さらに、アジアきってのアクションスター、ドニー・イェンも、シマヅの友人で盲目の達人ケイン役で出演している。
「1作目の時から、僕とキアヌは、シリーズで仕事をしたい人たちのリストを作っていて、真田さんともずっと一緒に仕事をしたかったんです。3作目に出てくれるはずだったのがかなわず、今回やっと実現しました。ドニーともずっと仕事をしたかったのですが、ただ出てもらうのではなく、そこには素晴らしいストーリーがなくてはならない。そして、4作目で良いストーリーに恵まれ、出演してもらえることになったのです」とスタエルスキ監督は語る。
友でありながら、掟ゆえに刃を交えなくてはならない、シマヅとケインの熱いバトルは必見だ。ここにも、日本の時代劇映画を愛し、幼少期から武道を学んできたスタエルスキ監督のこだわりがのぞく。「小さい頃から柔術、柔道、空手などを習ってきました。共に練習する人たちは、普段は仲のいい友人ですが、戦いの場では、氷のように冷たい精神で、相手を殺す気持ちでぶつかっていかなければならない。幼いころからそうした精神的な葛藤を経験してきたことや、侍映画の影響が、彼らの関係に反映されていると思います。それに、単純な正義と悪に別れた2人がぶつかっても、僕にとっては全然面白くないんですよね」(編集部・入倉功一)
映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は全国公開中