アカデミー賞作品賞、なぜノミネート作品を紹介せず発表した?アル・パチーノが説明
第96回アカデミー賞
第96回アカデミー賞授賞式(現地時間10日、米・ロサンゼルス)で、作品賞にノミネートされた10作品を紹介しないまま結果を発表したプレゼンターのアル・パチーノが、Entertainment Weekly にその真意を説明した。
作品賞は、3時間近くある授賞式のトリを飾る部門であり、今年はクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』が受賞した。同部門のプレゼンターを務めたパチーノは、ステージに登壇するやいなや短いスピーチを披露し、ノミネート作品10本の紹介をスキップして「そろそろ封筒を開けないといけませんね。私の目に映ったのは『オッペンハイマー』です」とすぐに作品名を読み上げた。
授賞式から一夜明けた現地時間11日、パチーノは「昨晩の作品賞発表で、ノミネート作品を全て紹介しなかったことに賛否があるそうだね」と同サイトに打ち明け、「これだけは明確にしたい。省略したのは、私の意図ではない。授賞式中にすでに10作品が紹介されているから、2回も紹介する必要はないというプロデューサー陣の決断だ」と説明。各部門の受賞結果発表の合間には、作品賞候補の映画が1作ずつ紹介されており、制作チームは時間短縮を図ったとみられる。
また、授賞式の演出担当で、司会者ジミー・キンメルの妻であるモリー・マクネアニーは、パチーノの発表方法について「クリエイティブ面における判断です。授賞式が長くなってしまうことを恐れていました」とVarietyに説明している。「授賞式の終盤には、作品賞候補がすでに紹介されています。人々は結果が知りたいのです。授賞式を終える準備ができていました。だから、私たちはパチーノにノミネート作品を読み上げないよう指示しました」
「私たちの判断で混乱させてしまいました。しかし、それが生放送の楽しみです」と続けたマクネアニー。「もしも、彼が私たちの決断で批判されているのならば、彼に謝罪しなければなりません」とも語っている。(編集部・倉本拓弥)