ファイター、北からの挑戦者 (2020):映画短評
ファイター、北からの挑戦者 (2020)人生というリングには理解者というセコンドが必須
脱北者ジナが韓国で自分の居場所を見つけようと足掻く姿を追う人間ドラマ。生きるのに必死な脱北者が就けるのが低賃金労働だったり、脱北者を見下す韓国人がいたり。さらには父親を救うための賄賂も必要!? 祖国を出てもなお戦わなければならない脱北者の現実が浮かび上がる。孤独なジナがボクシングとの出会いをきっかけに徐々に心のガードを下げて周囲と繋がる展開は予想通りだが、イム・ソンミの好演で真実味が増す。怒ったような顔の彼女が笑い始め、号泣する場面ではもらい泣きしそうになった。ジナと母親の複雑な関係やジム仲間との恋愛なども盛り込まれ、韓流はアートハウス作品でもきちんとドラマティックと納得。
この短評にはネタバレを含んでいます