まなみ100% (2023):映画短評
まなみ100% (2023)すべてをかっさらう伊藤万理華
ぜんぜん一途ではないが、監督自身をモデルにした学生時代からの十年愛という点で、“リア充版『あの頃、君を追いかけた』”。テンポよく描かれるエピソードの多くに深みはなく、ないものねだりな監督の自慢話を延々聞かされているような展開は評価の分かれどころ。エモさの押し売りのような強引なクライマックスもどこか気になるところだ。そんななか、非モテから共感どころか反感を買いそうなチャラい主人公を、青木柚がギリギリのラインで好演。まるで聖母のような中村守里や安定の宮﨑優など、すべての女優が可愛く撮られている点も認めたい。特に先輩役の伊藤万理華は、最終的にすべてをかっさらうほどの存在感を放つ。
この短評にはネタバレを含んでいます