ナチ刑法175条 (1999):映画短評
ナチ刑法175条 (1999)知られざる歴史を生存者の肉声で語る貴重な映画
ナチ支配下のあまり知られてこなかった現実に焦点を当てる優れたドキュメンタリー。昨年日本公開された「大いなる自由」もパワフルだったが、今作は、実際に体験した人々の肉声で、その残酷な状況を語る。この映画の撮影時、同性愛者の強制収容所の生存者で、まだ生きている人は、10人もいなかった。そのうち7人から話を聞き、このような形で記録に残せたのは非常に貴重。それらの中には素敵なロマンスや当時のゲイ&レズビアン文化についての楽しい思い出もあれば、聞いていて胸が張り裂けそうな辛い話もある。2000年のサンダンス映画祭でプレミアされたこの映画を日本の劇場で見られる機会ができたのは、すばらしいことだ。
この短評にはネタバレを含んでいます