エターナルメモリー (2023):映画短評
エターナルメモリー (2023)最強の夫婦愛。国境を越えて共感、感動できる
真のラブストーリー。「病める時も健やかなる時も」とは、まさにこういうこと。長年連れ添ってきた人に問題が出てきた時、彼女はあえて正式に結婚した。だが、毎日優しくケアしても、夫は、彼女が誰なのか、そして自分自身が誰なのかもわからないこともある。映画は、そんな日常を親密かつリアルに追いつつ、彼が健康だった頃の映像をも織り込んでいく。ジャーナリストとして活躍していた彼は、自国チリの歴史の暗い部分を忘れないようにしようと主張していた。記憶はアイデンティティにとって大事なのだと。その対比が、アルツハイマーという病気の残酷さと悲しさを、より強調する。国境を越えて共感できる、静かに心を揺さぶる作品。
この短評にはネタバレを含んでいます