室井慎次 生き続ける者 (2024):映画短評
室井慎次 生き続ける者 (2024)ライター2人の平均評価: 3
ファンであればあるほど困惑する「後編」
田舎暮らしのゆったりとしたテンポのドラマながら、ちょいちょい挟むファンへサービスと秋田県人会なキャスティングという力業によって、「踊る」ファンをねじ伏せた感もあった前作『敗れざる者』。ようやく終盤、エンジンがかかったところでの「後編」突入かと思いきや、なかなか進展しないどころか後退。前作で若干気になっていた脚本の粗さが露呈していくなか、前作で伏線と思われた展開が、ことごとくかわされていく。そして、完全に「それじゃない」クライマックス。前作の青島に続き、「あの人」の近況が語られる衝撃が用意されているものの、いろんな意味で我慢大会になってしまった感アリ。
シリーズ最大の事件作品に
≪先行上映にて≫2部作前編『敗れざる者』でファンサービスと布石をたっぷりしておいての後編です。前編は映画一本使ってここまでやるかという感じの”思い出掘り起こし路線”でしたが、後編となるとそれも控えめに。そして、事件が解決に動き出します。が、しかし、これは“踊る”と”室井慎次”を担ぎ出してまでやることであったのか?しかも前後編2部作で。なんとも賛否を呼びそうです。まぁ確かに”踊る”の本線ではできない展開ではありました。先行上映を経て本公開を迎える時、観客はどんな感情を抱くのでしょうか?・・・最後まで席は立たずに。