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室町無頼 (2025):映画短評

室町無頼 (2025)

2025年1月17日公開 134分

室町無頼
(C) 2025『室町無頼』製作委員会

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

轟 夕起夫

水澤紳吾が、終盤の驚異的な長回しの中に居ることの意味

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

時代劇を愛した千葉真一直系、JAC(ジャパンアクションクラブ)出身の、堤真一の本気の殺陣が観られる悦び。大袈裟なことを言えば、今では大傑作認定『太陽を盗んだ男』(79)のような荒唐無稽な面白さを称えたエンタメ映画を、かつてこの国は蔑ろにしてしまったのではないか?

どんなにダサくカッコ悪くても、そしてどんなにドン詰まっても、腹の底から湧き出てくる切実な何かを伝えようとする時、入江悠監督作品は輝く。シリーズ1作目『SRサイタマノラッパー』(09)のように。そこで「MC TOM」を演じていた水澤紳吾が、終盤の驚異的な長回しの中に居ることの意味と、長回し直後の不意打ちショットをたんと味わいたい。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

今だから観るべき“愛しき反抗”

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 大泉洋に時代劇のヒーローが務まるのだろうか?……という不安もあっさり吹き飛ぶ快作。

 室町時代の反乱という題材的な点でも時代劇としてはレアだが、いつの時代にも不条理な権力に対する民衆の怒りは沸騰するもの。その中心に大泉洋を置いたことで、反逆がヒロイックではなく大衆的、つまり我々大衆の物語として映るのがいい。

 “目”のクローズアップや音楽にセルジオ・レオーネ風マカロニウエスタンのテイストを匂わせつつ、娯楽に徹する潔さにも好感。長尾謙杜のアクション演技にも目を見張った。エキサイティングな逸品。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

娯楽大活劇

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

『十一人の賊軍』を放ったばかりの東映がまたまた大作時代劇を仕掛けてきました。今まで一番格好良い大泉洋が見られるというのは、確かに間違いないですね。貫禄と軽さ、そして実は意外と高い身体能力が満遍なく発揮されています。ライバルの堤真一と共にとにかく華のある殺陣を披露し続けてくれます。この二人に挟まれる感じになった長尾謙杜も頑張っています。入江悠監督は本当に大きなエンタメ大作の達人になってきましたね。もちろんコンパクトな映画も魅力的ですが、こういう大きな映画もどんどん撮って欲しいところです。

この短評にはネタバレを含んでいます
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