ロボット2.0 (2018):映画短評
ロボット2.0 (2018)ライター2人の平均評価: 3
インドが抱える環境問題を絡ませた点を買います
前作の終わりとはち整合性が取れないけれど、環境破壊というインドが抱える大問題をしっかりと絡ませた野心作だ。ファンタジー要素も加わっている。スーパーな能力を持つ設定のチッティの、ロボットとは思えない動きや決めポーズがユルユルで、失笑を誘うのが見どころだ。ラジニカーントが真面目に演じているのも愉快だ。特撮は前作よりもパワーアップしているし、人類絶滅を目論む悪にも一分の理を与えるなど単なる勧善懲悪に陥らないのは脚本も書いたシャンカル監督の実力だろう。感情回路のないチッティと『パッドマン〜』で注目度が上がったA・クマールの情感たっぷり演技を対比しながら見るのもおすすめ。
スーパースター、健在
どんなに「ンな、アホな」という展開も、「ありえねー」な描写も、マイケル・ベイとラジニ様の作品だけは文句を言わせぬ振り切れっぷりに根負け。むしろ殺伐とした世の中を緩和させるに違いない。前作『ロボット』から8年経ったというのに衰え知らずのラジニ様。本作では電波塔の乱立が鳥の生態系を脅かしているとスマホ社会への警鐘がテーマとなっているが、これだけVFXを駆使して文明の利器に頼りっぱなしの作品がどの口でおっしゃってます⁉︎と突っ込まずにはいられない。でも最後にラジニ様からもっともらしいお言葉を頂くと、有難い説法を聞いたような気分にさせられ許してしまうのだ。やはりスーパースターの肩書きは伊達じゃない。