「ブレイキング・バッド」の愛されキャラがカムバック!ソウル・グッドマンのこじらせ人生劇場 海ドラ座談会企画PART2(2/4)
海外ドラマスペシャル
ソウルの兄の愛憎関係が最大のポイント
司会:ソウルが「BB」のような小悪党になった原因は兄チャックにあるんでしょうか。
池田:そうなんじゃないかっていうのがシーズン2以降、描かれていく。僕も三人兄弟で、末っ子だからソウルが兄を嫌いな感じっていうのがすごくよくわかるんですよね。
司会:チャックのソウルに抱く感情というのは嫉妬なんでしょうか? ソウルは昔から人に好かれるタイプだったみたいですよね。一方、チャックはまじめで一生懸命なのに、ソウルのせいで損な役回りを演じてきたような節があります。
池田:基本的には、ソウルは兄のことを尊敬しているわけでしょう? 父親はダメな雑貨屋の店長だったけど、兄は優秀でエリート弁護士になった。
今:お兄さんに認められたい一心で、頑張って司法試験を受けて受かったところを見ると、本来ソウルは優秀な人なんでしょうね。ただ、頭がいいからなのかズルをしがち(笑)。わたしは、シーズン1ではチャックにも騙されたなあ。
犬塚:ただ、チャックは電磁波アレルギーで家から出られないという設定になっていて、初めから伏線は提示されていますよね。2人の兄弟関係を端的に象徴しているのが、母親が息を引き取る回想シーン。そこで、チャックは「自分の方がまじめで優秀なのに、結局人に好かれるのは弟なんだな」というコンプレックスを抱えることになる。これが、チャックがおかしくなった原因の一つなんじゃないかな。
今:人って、誰それが自分より得していると思うようなところがあるから、誰にでも当てはまる話ですよね。それが兄弟、身内だともっとややこしいことになるのかなっていう。
司会:電磁波アレルギーってちょっと聞いたことがないんですけど、本当にあるんですかね?
池田:あれはアレルギーというよりも心の問題ですよね。チャックはもともと神経質な性格だし。
今:ただ、その原因がこれ、と特定できないところがこのドラマの良さだと思う。
犬塚:行動している本人にすらわかっていないんでしょうね。複雑だし重層的というか。
今:その重層的な部分をいかにして見せていくのか、というところが技ありの作品ですよね。
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