日本映画を担う3人の監督たち<前編>映画作りにおいて絶対に譲れない「おきて」(3/3)
第28回東京国際映画祭
映画作りにおいて絶対に譲れない「おきて」
Q:映画を作るときのポリシーと言いますか、大事にしていることは?
中村:僕たちスタッフの存在が見えないようにするということですかね。例えば合成、CGが全然ダメだったら現実に引き戻されて、作品から意識が離れてしまいますよね。演出にしろ、カメラワークにしろ、作り手を感じさせたらお話には入っていけないと思うから、そこは努力しています。
深田:僕は、当たり前のことではありますが、自分が面白いと思えるものを作ることです。ちょっと乱暴な言い方ですけど、あえてお客さんを想定しないというか、自分を映画を観る最初の観客だと思って、まずは自分が面白がれることを最優先にして作ろうと思っているんです。
中村:そういう意味では、僕も無理にモチベーションを上げなければいけないような企画は断っています。昔はそんな作品も作ることがあったんですけど、そうすると現場が不幸になってしまう。だから原作モノでも、テーマに共感できるものしかやらないようにしているし、重要なことを伝えるためにエンタメ的な語り口にアレンジすることはあるけれど、そこで自分らしさみたいなものは出さないようにしています。
Q:最後に、今回の東京国際映画祭をどのように楽しもうと思われていますか?
中村:僕の映画の場合……『残穢』はそうでもないけど、ネタバレになるから、見終わった人じゃないと話せないことがいっぱいあるんです。だから、それを話せるティーチインは楽しみですね。
深田:僕は時間が許す限り、映画を観ようと思っています。コンペの作品はもちろん「アジアの未来」も面白そうな作品がそろっているので、楽しみです。
『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』は10月25日TOHOシネマズ六本木ヒルズSCREEN7にて17時、27日新宿バルト9 シアター3にて20時50分、29日TOHOシネマズ六本木ヒルズ SCREEN1にて11時20分より上映
2016年1月30日より全国公開
※登壇ゲスト(予定):
25日
舞台挨拶:中村義洋(監督)/竹内結子(女優)/橋本愛(女優)
Q&A: 中村義洋(監督)
27日
Q&A: 永田芳弘(企画/プロデューサー)、池田史嗣(プロデューサー)
29日
Q&A: 中村義洋(監督)
『さようなら』は10月24日TOHOシネマズ六本木ヒルズSCREEN7にて17時20分、27日TOHOシネマズ六本木ヒルズ SCREEN1にて10時20分、28日新宿バルト9 シアター3にて13時50分より上映
11月21日より全国公開
※登壇ゲスト(予定):
24日
舞台挨拶:Q&A:深田晃司(監督)、ブライアリー・ロング(女優)、石黒浩(アンドロイドアドバイザー)、ジェミノイドF(女優)
27日
Q&A: 深田晃司(監督)、ブライアリー・ロング(女優)
28日
Q&A: 深田晃司(監督)、ブライアリー・ロング(女優)
【その他のコンペ部門作品紹介を読む】
結婚式前日に死んだ女性の謎…オスカー監督後継者が描くミステリー:先読み不可能な衝撃作4作
移民問題、地雷撤去、ドローン…ニュースな映画:世界の情勢を知る5作
イーサン・ホークが実在のトランペット奏者で憑依演技:人生いろいろ…悲喜こもごも4作