tokyo.sora (2001):映画短評
tokyo.sora (2001)それでも、生きていく。
金城武の「日本アジア航空」も手掛けたCMディレクター石川寛が、東京の空(基本曇り)の下で生きる女子の日常を淡々と描いた映画デビュー作。どこかですれ違う6人の現場で作りこんだ会話から生まれる体温の低さなど、リアルでドキュメンタリーぽくみえるなか、逆にくわえタバコや下着姿での疾走といった映画的演出がエモさを引き出す。そういう意味では、『リップヴァンウィンクルの花嫁』にも影響を与えたクロード・ガニオン監督の『Keiko』に似た感触だ。ほとんどが生活音のなか、菅野よう子の劇伴がアクセントとなり、孤独感に押しつぶされそうになりながら、それでも前に進もうとする彼女たちの背中を優しく後押しする。
この短評にはネタバレを含んでいます