子猫をお願い (2001):映画短評
子猫をお願い (2001)『ほえる犬は噛まない』と並ぶ、ぺ・ドゥナ映画の最高峰
高校卒業後、社会の壁にぶつかった仲良し5人組(双子を含む)が描かれるなか、彼女たちが仁川の商業高校出身という設定がリアルだ。その5人の格差もあぶりだされ、「女の友情は永遠か?」どころじゃない問題が提起されるなど、『サニー』にハマれなかった人ほど突き刺さるだろう。本作でもキュートなぺ・ドゥナは、完全主演とは言えない役回りだが、“お人好しなヘビースモーカー”という、彼女しか成立しないキャラを好演し、ファンタジーにも取れるラストに説得力を持たせる。チョン・ジェウン監督の鮮烈すぎるデビュー作であり、後に『蝶の眠り』のようなメロドラマを撮るとは思えないほど、才能に溢れた一作である。
この短評にはネタバレを含んでいます