駅馬車 (1939):映画短評
駅馬車 (1939)ジャンル復興の立役者となった西部劇映画の金字塔
トーキー初期は技術的な問題から屋外ロケやアクションの録音が難しく、そのため大手スタジオ各社は西部劇の制作を敬遠するようになる。その後、録音技術は改善されたものの、西部劇はB級ジャンルの地位に甘んじることに。そんな状況を一変させ、西部劇復興の立役者となったのが、ジョン・フォード監督およびジョン・ウェインの代表作『駅馬車』だ。様々な事情を抱えた人々が乗り合わせる駅馬車。現代にも通じる格差や偏見、利己心に不寛容などの問題が炙り出され、やがて迫りくるアパッチ族襲撃の危機を前にして人々は団結せざるを得なくなる。その筋立てが見事だし、ヤキマ・カヌートの乗馬スタントも圧巻だ。(スターチャンネルで6月放送)
この短評にはネタバレを含んでいます