ドン・ジョン (2013):映画短評
ドン・ジョン (2013)ライター2人の平均評価: 4
ラブコメ嫌いな人にこそオススメ
ハリウッド版草食系の代表格ジョセフ・ゴードン=レヴィットが一転、マッチョでヤリ○ンな肉食系へと大変身した上に、監督と脚本まで手がけた超変化球的なラブコメである。
AV中毒で普通のセックスに飽きたらなくなった男が惚れたのは、ハリウッド映画のような大恋愛に憧れるロマンス中毒美女。もちろん、そんな2人の仲が上手くいくはずもなく。で、そこへ現れた生活感ありまくりな中年女が、現実と妄想の区別のつかない主人公の目をガツンと醒まさせるってわけだ。
メディアの垂れ流す虚像に振り回される男女を痛烈に皮肉りつつ、人と人が求め惹かれ合うことの原点を見つめ直した作品。ラブコメ嫌いな人にこそ見て欲しい佳作だ。
ポルノとセックスの間には深くて長い川がある
男のエロ探究心を、こんなにも露骨にリアルに描けるとは。初監督を務めた『(500)日のサマー』の人気俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィット、恐るべし、である。
ここで描かれるのは、男性がポルノに何を求めているのか? それが実際のセックスにどう影響するか?ということ。最高の快楽を求めて自慰に耽り、それをセックスにも求める自信過剰男のイタさが伝わる。監督とともに主演を兼任したジョセフの怪演を見れば、草食系のイメージも吹っ飛ぶかもしれない。
自慰やセックスの生々しい描写は男性の興味こそ引き付けるだろうが、コメディの体裁をとってはいるとはいえ女性はドン・ビキする可能性もアリ。覚悟して見るべし。