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中学生円山 (2012):映画短評

中学生円山 (2012)

2013年5月18日公開 119分

中学生円山
(C) 2013「中学生円山」製作委員会
中山 治美

クドカン流3.11後映画に唸る

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

円山少年の“自主トレ“や妄想といった怒涛のアホらしい笑いに腹を抱えつつ、作品に込めたクドカンこと宮藤勘九郎監督の“思い“に胸が熱くなった。団地に暮らす普通の中学生・円山は劇的な日常を願いつつ、妄想が現実となって普通の生活の良さを再認識する。これって、東日本大震災を経験した私達が実感した事そのもの。宮城県出身のクドカンは、震災を直接描くことにためらいがあるようなので、照れ隠しで笑いというオブラートに包んでこの物語を構築したのだろう。そして、“努力は実る“というメッセージに泣き笑い。ただ、ラストの子どもの使い方が後味悪い。西川美和監督『夢売るふたり』同様、大人の不始末を子どもに尻拭いさせるのは粋じゃないね。

この短評にはネタバレを含んでいます
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