黒執事 (2013):映画短評
黒執事 (2013)いい意味でも悪い意味でも破壊力満点
原作の予備知識はゼロ。ゆえにコミック版との比較は放棄するとして、これはいい意味でも悪い意味でも破壊力満点の怪作だ。
19世紀英国調のゴシックワールドで展開するダークなミステリー。ビジュアルもキャラも徹底的に様式化され、役者たちのデフォルメされた演技が歪んだ世界観に拍車をかける。ただし、この場合の様式とは空虚、デフォルメとは稚拙とほぼ同義語。しかも、悪魔はなんでもお見通しなので、結果的に謎も解いたのかどうかよく分からない。
そうした中、一際異彩を放つのが水嶋ヒロの怪演。彼のナルシスティックな演技と風貌はある種の凄味すら漂わせ、こればかりはハマリ役だと言わざるを得ない。
この短評にはネタバレを含んでいます