バイロケーション (2013):映画短評
バイロケーション (2013)奇をてらわない作りが好印象
もうひとりの別人格の自分(通称バイロケ)が出現するスリラー。全体を支配する、じわりと迫り来る不気味なトーンがなかなかよく、監督の安里麻里は健闘している。この手の恐怖ものに過剰な期待をする映画ファンは少ないだろうが、奇をてらわない作りに好感が持てる。
ひとり二役に挑戦しているキャストの中では、とりわけ滝藤賢一の目を血走らせた狂気の演技が想定内とはいえ怖いったらない。
ラストは2パターンある。オリジナル版の「表」に続き、2月に「裏」が公開。各オチはバイロケに全く異なる解釈をもたらすもので興味深いが、最後の数分のために劇場で2度観る観客はいないだろう。試みは買うがDVDの特典映像で十分なのでは。
この短評にはネタバレを含んでいます