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超高速!参勤交代 (2014):映画短評

超高速!参勤交代 (2014)

2014年6月21日公開 119分

超高速!参勤交代
(C) 2014「超高速!参勤交代」製作委員会

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

ミルクマン斉藤

てんこ盛り「ザ・娯楽時代劇」。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

日本娯楽映画量産期、武家社会をサラリーマン社会になぞらえたコメディ時代劇はいくつかあったが、知られざる参勤交代のトリビアもちゃんと踏まえたこの奇想は初だろう。震災地福島の暗喩にもなっていて、さほど深く踏み込みはしないものの中央政治に翻弄される地方の怒りと意地の反映がある。なかなかのリーダーシップを見せる藩主・佐々木蔵之介、彼らに付き従う藩士の面々も個性豊か(今や日本映画界に欠かせぬ上地雄輔が冷静さと悲壮感で締めるところを締める)。藩主とウブな関係になる飯盛女・深田恭子も可愛い(二人の恋の結末はとっても現実的)。本木監督としてはデビュー作『てなもんや商社』以来の快作かと。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

超痛快なお江戸版プロジェクトX!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

結論は“痛快”な時代劇。欲深な幕府老中VS貧しい小藩という図式はありがち? でも無理難題を押し付けられた侍が刀でなくて知恵と体力で戦う展開は新しい。資金も人材も乏しい状況で武士が知恵を絞って参勤交代を装う姿はまさに、中小企業のサラリーマンといった風情。愛されキャラの殿様はいわばプロジェクトリーダー。だから権力を振りかざす老中に嫌な上司を重ねてしまうはず。そして丁寧に書き分けられたキャラクターそれぞれの活躍と随所に挟み込まれた笑いに思わずにっこり。また個人的に「ほほぅ」と思ったのが、参勤交代トリビア。ただ参内するだけでなく、細かいルールや途中検問のある厳しい旅だったとはつゆ知らずでした。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

中央の身勝手に地方が振り回されるのは江戸時代も今も同じ!?

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 荒唐無稽とも思える物語と設定の中に、虐げられる者(本作の場合は貧乏大名に飯盛女)の悲哀を滲ませる。弱者の声を代弁するという意味において、古き良き正統派の大衆時代劇だ。
 中央権力の勝手な思惑に右往左往させられる地方大名、それも福島県の藩主というのだから、何を揶揄しているのかはおのずと容易に想像がつくだろう。知っているようで知らなかった参勤交代の実態を含め、江戸時代の世相を身近に感じられるようなユーモアの数々もなかなか楽しい。
 もちろん、チャンバラの大立ち回りもあり。ファンには知念くんのフンドシ姿も萌えポイントかもしれないが、それ以上にあの舌足らずな東北弁が可愛すぎるぞ!

この短評にはネタバレを含んでいます
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