シェリー (2013):映画短評
シェリー (2013)尾崎豊をダシにした出来の悪い珍品
俺のことを理解してくれるのは尾崎だけ、という尾崎豊フリークな若者の成長を描いた青春ドラマ…なのだが、そもそも作り手に尾崎への愛があるのか疑問に思わざるを得ない作品だ。
だいたい“俺のシェリーになってくれ!”“あなたのシェリーになってあげる”なんて気持ち悪いセリフを臆面もなく言わせてしまう脚本のセンスが大問題。主人公の青臭さもヒロインの偽善ぶりも変態レベルだ。それで人生とはなんぞや、大人の責任とはなんぞやと語られてもねえ。
挙句の果てには、エンディングで流れるのは尾崎の原曲ではなくK-POPシンガーのカバー。便乗商売以外の何ものでもなかろう。尾崎ファンはこれを見てどう思うのだろうか。
この短評にはネタバレを含んでいます