愛のタリオ (2014):映画短評
愛のタリオ (2014)ライター2人の平均評価: 3
「目には目を、歯には歯を」を止めるのは愛だ!
チョン・ウソンが久々にラブストーリーに降臨、とワクワクして見たら、うれしい驚きが! セクシー先生に捨てられた女の逆切れから始まる復讐劇が念入りで、魔太郎もびっくりの「この恨み晴らさでおくべきか」攻撃に頭が下がる思いなり。しかも恨み晴らした女にもさらなる「目には目を、歯には歯を」が待っているから韓流は奥が深い。性格が超きつい女の対決といった趣きの後半は特に人間の残虐性やずるさが見えてくる展開で、<愛憎>とはよくできた言葉と痛感。復讐の連鎖が恐ろしい結果を生んでいる中東問題が身近な今、ちょっとした火遊びが地獄の業火となって身に振りかかる恐怖を味わった主人公の最後の選択に人間性や救いを見出すかも。
昼メロ1クール分がギュッと凝縮。
『監視者たち』に続き、チョン・ウソンが「悪い男」に挑戦。しかも、大胆な濡れ場もアリという多少、下世話な気持ちで観ると、意外な展開に驚かされるだろう。それもそのはず、監督は『南極日誌』に『ヘンゼルとグレーテル』と、サスペンス演出に定評があるイム・ピルソン。まさに「私が棄てた女」な純文学的なノリから始まったかと思えば、ウソン演じるモテ教授に裏切られた純朴な女の復讐劇へとなだれ込む。その結果、『レッド・ファミリー』のパク・ソヨン演じる残された一人娘を巻き込み、意外すぎるクライマックスに突入。そんなジェットコースター的爽快感は、まさに東海テレビ制作の昼メロであり、1クール分が凝縮された112分である。