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PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~ (2015):映画短評

PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~ (2015)

2015年10月31日公開 112分

PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~
(C) 2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

中山 治美

飛翔までの焦らしテクにやられた

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『プライドと偏見』などの印象が強いからだろうか。J・ライトは物語重視の監督かと思っていたが、こんなに大胆な映像の使い方が出来る人とは! 意外性ある物語も含めて良い意味で裏切ってくれるに違いない。
 ピーターの生い立ち、お馴染みのキャラクターとの出会いなど、成長物語がしっかりしているのは言わずもがな。”ピーターが飛ぶ”というクライマックスまでの魅せ方が実に巧み。黒ひげ海賊団による誘拐シーンに始まり、縦横無尽にピーターを浮遊させて期待感を高ぶらせてくれる。
 ただ、今回仕掛けたドッキリの数々をどのように本来の物語に繋げることが出来るか? 本作の真価は続編で確かめてこそ。期待を込めて★おまけ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ジョー・ライト監督がいろいろブッ飛ばします!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

「ピーターパン」の前日譚に興味なくても、あのジョー・ライト監督の新作である。孤児だったピーターがまるで刑務所のような孤児院から黒ひげの待つネバーランドに連れてこられるまで、この前半パートがとてつもなく素晴らしい。海賊船とイギリス空軍との想像を絶するドッグファイトに続き、ネバーランドに着くやいなやニルヴァーナの替え歌合唱と、かなりブッ飛んだこともやってくれるし、その後の『チョコレート・バトラー』のテコンドー長男、ナ・テジュの立ち回りもやっぱりスゴい。ただ、アクションシーンを畳みかけても、中盤からの急激な失速感は否めず。最終的に前日譚という縛りがマイナス要素になってしまった気もしないでもない。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

ピーター・パンの意外な事実(?)が次々に明るみに!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

「ピーター・パン」関連の話は何度も映画化されているが、前日潭を描く本作は監督と脚本家のオリジナル。ネヴァーランドに連れていかれた孤児ピーターの心の成長が笑いと涙、そしてハラハラで綴られ、大人も子供も魅了するはず。永遠の命に固執する海賊・黒ひげを演じたヒュー・ジャックマンは邪悪さと滑稽さのバランスが絶妙で、主役を食う怪演を披露。また空飛ぶ海賊船のドッグファイトやマジカルな森の映像美が素晴らしく、3Dでの鑑賞がお勧め。意外だったのは、後にピーターと敵対するフックとの関係性。この2人に何が?と思わずにいられないエンディングも監督の狙いなわけで、余韻を残すというか、続編製作の余地がありそう。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

鮮やかでいて極彩色ではない色彩が魅了する

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 なにより色彩。すべてが鮮やかで華やかだが、原色ではない。赤は真っ赤ではなく、ごく僅かに植物の花弁のような濃いピンクを帯びている。青も真っ青ではなく、月の光を混合したような明るいブルーに傾いている。その色彩設計が極まるのは、タイガーリリーたちの村での祭典と戦闘の場面。アクション満載だが暴力的ではなく、住民たちは色鮮やかな色彩の粒子となって宙に舞う。
 また、過去の伝説を描く映像も印象的。語られる言葉に沿って木目や水紋が変形し、その変形がどこまでも滑らかに続いていく。この美しいだけではない不思議な味わいは「乙女の祈り」の銅像たちが動き出す場面を思い出させる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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