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ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~ (2009):映画短評

ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~ (2009)

2015年3月14日公開 134分

ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~
中山 治美

ドイツ側から南京事件を考える

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 国際委員会メンバーの一人として人道的活動を行った独人ジョン・ラーベの視点から描いた南京事件。ベースは彼の日記。原作本「南京の真実」と比較すると、だいぶ強姦場面が軽減されている印象だ。一方でドラマティックに仕立て上げている箇所や、出典を巡って疑惑の的となるニュース映像を盛り込んでおり、ツッコまれる余地も多々ある。それでも日中間のみで論じられるこの事件を、別視点から再考する貴重な作品である。
 ちなみにラーベはナチス党員だったことから一時期収監され、長らく日記は非公開だったという。独人がいかに戦争責任と向き合い、映画を製作しているか。そんな作り手の姿勢をも感じさせてくれる作品である。

この短評にはネタバレを含んでいます
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