フェデリコという不思議な存在 (2013):映画短評
フェデリコという不思議な存在 (2013)友人フェリーニへ捧げる老匠スコラのラブレター
イタリア映画黄金期に活躍した巨匠・名匠の大半が鬼籍に入る中、御年84歳のエットーレ・スコラが、偉大なる先輩であり友人でもあったフェリーニへの溢れんばかりの想いを、実際の記録映像と再現ドラマを巧みに織り交ぜながら綴ったセミドキュメンタリーである。
『道』や『甘い生活』など名作へのオマージュは勿論、戦中・戦後の貧しいローマで共に映画という夢を分かち合った若者たちの姿が生き生きと映し出される。フェリーニとスコラを中心に、ルッジェロ・マッカリやベルナルディーノ・ザッポーニ、ステファノ・ヴァンツィーナなど、一時代を築いた人々の友情秘話にイタリア映画ファンならば思わず胸が熱くなるはずだ。
この短評にはネタバレを含んでいます