愛しき人生のつくりかた (2015):映画短評
愛しき人生のつくりかた (2015)薫り高くてほろ苦くて味わい深いフランス流の人生探し
長年連れ添った夫を亡くして心にポッカリと穴の空いた祖母、職場を定年退職して生きがいを見失った息子、人生の目標を見つけられないまま日々をやり過ごす大学生の孫。そんな三世代の家族が自分の居場所を探して迷い彷徨う。
テーマは重めだが、しかし語り口は実に軽やか。毒気混じりのユーモアとほろ苦いメランコリーのバランスが絶妙だ。面倒くさそうな顔して人生の真理を教え諭すコンビニ店員のオッサンや、ご丁寧に自殺名所と死に方まで教えてくれる観光案内所職員など、随所に出てくるチョイ役キャラの皮肉が効いた面白さときたら!御年87歳の大御所アニー・コーディが演じる茶目っ気たっぷりなお婆ちゃんも素敵だ。
この短評にはネタバレを含んでいます