蔦監督-高校野球を変えた男の真実- (2016):映画短評
蔦監督-高校野球を変えた男の真実- (2016)甲子園という名の呪縛
甲子園を題材にした作品は多々あるが、ほとんどが夢破れた人たちの話。徳島・池田高校を通算15回も甲子園に導いた蔦監督は間違いなく勝者だが、小さな町をざわつかせ、彼が作った伝説を超えようともがき続けている後進たちがいる。本作の監督である孫・晢一朗氏もその一人だろう。
異業種に進んでもどこまでも付いてくる祖父の名。本作は祖父の人生を探訪すると同時に、マスコミによって作られた英雄伝を打ち砕く作業だったのではないだろうか。監督が次に進むためにも。
だが本作は甲子園での映像を使用している為、高野連の規定に則り営利目的の上映はNGということで無料上映に。甲子園の呪縛、恐るべし。
この短評にはネタバレを含んでいます