ブルータリスト (2024):映画短評
ブルータリスト (2024)大河ロマン的も長さを感じさせず、視覚にカッコよかったりも
この上映時間、そして描かれる物語から、どっしりシビアな作風を予感させ、そこで敬遠されるリスクも抱えつつ、観始めるとドラマの緩急で気持ちよく流れに乗っていける。いい意味で裏切られる作品。演出の一部である休憩15分も斬新。
何より、映像のカッコよさが際立つ。主人公が建築家であるためか“デザイン”的な見どころ多し。クレジットがおしゃれだし、メインの建築物は意匠だけでなく工事のプロセスもクールに見せ、スタイリッシュな世界に浸る。
30年におよぶ波乱の人生で、エイドリアン・ブロディの若い野心→中高年への変化は安定の名演。戦争の苦しみを引きずり続け、愛する人とのベッドで涙するシーンはオスカーにふさわしい。
この短評にはネタバレを含んでいます