彼岸島 デラックス (2016):映画短評
彼岸島 デラックス (2016)ライター2人の平均評価: 2.5
せめて単独でも成立する作品にして欲しかった
「彼岸島」の2度目の映画化…というよりも、テレビシリーズのダイレクトな劇場版続編というべきだろう。なので、原作もしくはテレビ版の予備知識は必須だ。
ノリとしては特撮ヒーロー物。派手なバトルアクションやCGを駆使したクリーチャーが満載で、’09年版よりもエンタメ性は遥かに高い。昭和初期で時代がストップしてしまったような、ジャパネスクな伝奇ホラー的世界観も悪くない。ま、チープではあるけれどね。
とはいえ、まさにこれから本格的に盛り上がるぞ!というタイミングでの、次へ続きます的なクライマックスはいかがなもんか。起承転結の承だけを見せられた感じ。いやはや、生殺しにもほどがあります。
やっぱり丸太は迫力あります
見せたいものだけたっぷり見せる。その姿勢が潔い。まず、VFX製巨大クリーチャーのデザインと動きで魅せる。対照的に、格闘アクションは人体優先。ワイアーワークを多用して、実際に身体を使った動きを見せる演出法。とにかくこの2つに特化して、その魅力をたっぷり見せることを目指す。
そしてデザインは徹底的に"和風"。クリーチャーのデザインにも、日本的要素をプラス。ヴァンパイアも帝国陸軍の人体実験経由で、衣装は大正ロマン風。日本製ヒーロー特撮風味に、時代劇の農民をプラス、武器も和風に刀、槍、弓。そして原作コミック通りの能面の師匠と丸太。それらが渾然一体となって、ド派手なVFXアクション絵巻になっている。