GODZILLA 怪獣惑星 (2017):映画短評
GODZILLA 怪獣惑星 (2017)精緻を極める世界観と高度な3DCGに驚嘆する次世代ゴジラ映画
庵野ゴジラは「終末」を食い止める闘いだったが、虚淵ゴジラは「終末後」に地球と人間の尊厳を取り戻すべく抗う濃厚なハードSF。絶望をもたらした進化の最終形態=ゴジラへの情念、ロジカルな殲滅作戦、異星人との共闘、地球生態の変容…精緻を極める世界観と高度な3DCGに驚嘆する、次世代ゴジラ映画だ。三部作といっても本作のみの完結感は弱く、TVシリーズ冒頭数話の趣。続きを観なければ語れない。動画配信を視野に入れた製作。ならば、虚淵監修による前日譚小説もアニメ化すべき。怪獣との闘争に明け暮れた黙示録は、従前の“ゴジラ脳”で作品を捉える世紀末世代にも間口を広げ、キャラへの愛と世界観への理解を深めるはずだ。
この短評にはネタバレを含んでいます