赤毛のアン (2016):映画短評
赤毛のアン (2016)ライター2人の平均評価: 3.5
世界名作劇場のファンもだいじょうぶかと!
マシュウがウィラード大尉(マーティン・シーン)!と最初はびっくりしたが、見慣れるとバッチリではないか。アン・シャーリー役のエラ・バレンタインは思わず「リアル」という言葉を使いたくなるほど。長く続いたミーガン・フォローズ版のファン(筆者含む)もこれなら納得。元々テレフィーチャーながら万全のリブートである。
思えばいまにつながる文化系女子の物語として、『赤毛のアン』は確実に源流のひとつではないか? 過剰におしゃべりで、知的ゆえ複雑にこんがらがった自意識の在り方など、学園映画でちょっと前に観たなっていう(笑)。1986年版は長尺だったが、こちらは89分のコンパクトな語り。ぜひ『アンの青春』以降も!
原作をコンパクトにまとめた『赤毛のアン』入門編
‘80年代版と同様に今回もテレビ用作品だが、あちらがフィルム撮影されたミニシリーズの劇場用再編集版だったのに対し、こちらはビデオ撮影のテレビ映画でCM用のフェードもそのまま残されているため、いかにもテレビ然としている。まずはそこが賛否の分かれ目だろう。
また、90分にも満たない上映時間ゆえ、物語はかなり要約されている。2時間20分あった旧作に比べると物足りなさは否めない。それでもなお、プリンス・エドワード島のロケーションは美しいし、旧作の素朴なミーガン・フォローズとは一味違うおしゃまなアンを演じるエラ・バレンタインも魅力的。『赤毛のアン』入門編としてはいいかもしれない。