いぬむこいり (2016):映画短評
いぬむこいり (2016)予定調和がお嫌いな人へ
圧巻の4時間超え、狂乱の大人のファンタジーである。
ダメ教師・梓が仕事を辞めて、神のお告げで南の島へ。
いわば”自分探しの旅”だが、
ありきたりの感動も予定調和な展開もなし。
詐欺師に騙されたり、
自称革命家に担がれて悪徳市長を討つべく市長選に出馬したり、
婚約者のいる犬男と恋に落ちたり。
純なアラフォー女子がカオスな世界で揉まれ、無様な姿を晒す様子は正直イタイ。
だが次第に身も心も解放されていく梓役の有森也実の姿に清々しさすら感じ、むしろ羨望すら抱くかもしれない。
日本映画界のあらゆる慣習に抵抗した本作は、鬱屈した日々を過ごす人たちへのカンフル剤となるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます