劇場版 マジンガーZ / INFINITY (2017):映画短評
劇場版 マジンガーZ / INFINITY (2017)ライター3人の平均評価: 4
ドストライク世代ゆえに若干(?)採点は甘めです
毎週欠かさず夢中になってテレビで見たのはもちろん、東映まんがまつりの劇場版も全部見たし、超合金や特大ソフビも買ったし、サントラ盤LP(兄弟喧嘩で弟にセミダブル・ジャケットを八つ裂きにされ号泣したけど)も繰り返し聴きまくって、「ミネルバXに捧げる歌」をいまだに空で歌えるドストライク世代の筆者。テレビシリーズ版と直結した東映アニメーション制作の正統な続編である本作は、ただそれだけで満点を付けたくなるくらい感慨深いものがある。しかも、石丸博也&松島みのりの声まで聴けるというオマケ付き。もちろん、あの頃のままのマジンガーではないけど、確実にスピリットは受け継いでいる。改めて旧作を見直したくなります。
なるほど"数年ぶりの続編"にはこの手があった
"数年ぶりに製作される続編"の作り方として、これは一つの模範解答。他の続編の多くが新たな視点で描き直すことに力を注ぐところ、本作の方法論は別。オリジナル作の"萌えポイント"を網羅し、そのパワーをオリジナル作と同方向に向けて増大させているのだ。アクションあり、お色気あり、ギャグあり。シリアスなドラマには異質なサブキャラも再登場。そして何より"セルアニメの動きの魅力"を最大限に活かすことを目指す。物体は物理法則とはかけ離れた動きをするが、それこそがアニメの魅力。本作はそれを痛感させてくれる。おまけとして登場人物たちの"その後"を描いてニヤリとさせるところは「ツイン・ピークス」の続編っぽい。
オリジナルリスペクトの「昭和」な香り、たまりません!
「マジンゴー!」と唸る、水木一郎の主題歌が本能的コーフンを誘う、じつに45年ぶりの本格復活作。
通常、このように人気アニメが甦る場合、現代に合わせてアップデートされるのだが、今回の「マジンガーZ」は、1970年代テイストが過剰なほどに充満。人型アンドロイドのキャラなど最近のSF作品を意識した要素もあるものの、次々と出てくる機械獣のレトロなデザインや、脇キャラである博士コンビや、ラーメン屋のボスとその子分たちの会話やノリが、いい意味で時代錯誤。舞台は現代らしいのだが、「昭和」な作りが微笑ましいばかり。オリジナルのファンは文句なく胸が熱くなるはずで、強引なストーリーも味わい満点なのであった。