逆光の頃 (2017):映画短評
逆光の頃 (2017)劇場出た瞬間、京都を訪れたい衝動に駆られる!
同じ京都映画『夜は短し歩けよ乙女』とは対照的に、ここまで静寂を感じさせながら、エモい、エモすぎる! 観客に言葉のシャワーを浴びせた前2作から一転、小林啓一監督は木漏れ日や月明かりなど、今度は幽遠な映像のシャワーを浴びせてくれる。一見ステレオタイプにも見える京都の情景に、成長著しい高杉真宙らが演じるキャラが溶け込んだ世界観は、台湾映画に近いノスタルジーも感じさせるうえ、エンドロールではニュー・オーダー「セレモニー」をカバーした少女の歌声が、せつなさをダメ押し! 小林監督“青春3部作”完結編として相応しいと同時に、京都映画の最高峰、17年ベストともいえる仕上がりだけに、原作者が絶賛したのも頷ける。
この短評にはネタバレを含んでいます